ルイ15世の登場とともに生活の中で新しい趣味や好みが芽生える。荘重厳粛なものに替わって、愛らしいものや繊細なものを楽しみ、個人の生活を尊ぶ姿勢が生まれたのである。ヴェルサイユ宮殿の巨大な部屋は小さく分割され、やがてプチ・トリアノンという端整な小離宮が、広大な庭園の一角に設けられよう。かくしてロココ美術として知られる優雅な美術が、宮廷からやがて市民の生活に浸透していった。
女性画家たちもこうした社会を背景に、絵筆をふるう機会が増えることになった。王侯貴族の女性は、嗜みとして美術や音楽を学ぶ伝統があったが、この時代には趣味の域を超えた本格的作品を生み出すに至る。ルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人はブーシェに絵画を学び作品を残したことが知られているが、ルイ15世妃マリー・レクジンスカも父のポーランド王から絵画の手ほどきを受けて、フランスでは静物画家ウードリーに学んだ。中国趣味のパネルは、王妃の技量と同時に生活を彩り楽しむという当時の上流社会の趣味を垣間見せてくれる。
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マリー・レクジンスカ、フランス王妃
《麻雀の勝負(ヴェルサイユ宮殿、中国風居室の彩色パネル)》 個人蔵
Marie Leszczynska, reine de France,La partie de majong (Le cabinet des Chinois),Collection privée -
マリー・レクジンスカ、フランス王妃
《音楽のレッスン(ヴェルサイユ宮殿、中国風居室の彩色パネル)》 個人蔵
Marie Leszczynska, reine de France,La partie de majong (Le cabinet des Chinois),Collection privée


